二十四節気「大雪」に合わせ、こちらのページで水景園のみどころを紹介いたします。
====================(2023.12.17更新)
冬の節気も3番目を迎えました。今年は暖冬で、中旬まで暖かい日が続きました。次の節気は「冬至」、その日を境に日長は伸びていきますが、寒さはこれからが本番です。公園も名残の森の紅葉が落ち、本格的な冬景色へと移行していきます。
●見頃の植物たち
今年は紅葉も例年より長く楽しめましが、森のナラ類の紅葉も終わりを告げ、冬木立の風景となります。そんな中でも楽しめる植物たちをご紹介します。
★サザンカ
11月下旬、寒くなり始めた頃から春の初めまでが花期です。公園で主に楽しめるのは、屋上棚田の生垣や紅葉谷です。
公園にあるのはピンクの八重咲と白の爪紅。華やかさと清々しさが楽しめます。晩秋から早春にかけ次々に花を咲かせ、冬の庭を彩ってくれます。また、スタッフしか立ち入らないバックヤードには白一色のサザンカも植えられています。
サザンカは四国、九州、沖縄諸島に自生しており野生種の花色はこれと同じ白色です。品種改良され、またツバキとの交雑などもあり、今は様々な花色と花形が楽しめます。華やかで、かつ冬らしいきりっとした美しさのある花木のように思います。
★ソテツの花
水景園入口前の石組に植わるソテツの株ですが、今年の夏、このように花を咲かせていることに気付きました。
ソテツは雌雄異株ですが、花が咲くまではどちらの株かわからないといいます。この花は雌花で、つまりこの株は雌株だったようです。受粉が終わり、現在は下の写真のようにしっかりと閉じられています。花びらのように見えるものは大胞子葉(だいほうしよう)といわれる雌しべの原始形態です。その根元に胚珠が付き、熟して種子となります。
そっと開けると、大胞子葉の根元に赤い種子が出来始めているのがわかります。ソテツの花が咲くのは6~7年に一度とも10年に一度とも言われています。数年に一度の珍しいものには違いないので、ご興味のある方は是非一度ご覧になってみてください。
ちなみに、ソテツは年によってはこのように「こも巻き」をされます。暖かい地域が原産のソテツを寒さから守るため、わらで丁寧に巻いていく作業です。庭園の冬の風物詩としてもおなじみですね。ソテツの種子は順調にいけば年が明けてからもう少し熟してくれるはずですが、果たしてどうなるでしょう…?(ちなみに、実には猛毒があるようなので間違えても口になさらないでくださいね)
●マガモたちの来園
今年も北の国からマガモたちがやって来てくれました。留鳥のカルガモやカイツブリとともに、永谷池をのんびりと泳いでいます。昼間はほとんど水面にいますが、朝早くや夕方は、紅葉谷や竹林で餌を探していることもあります。人の気配を感じるとすぐに飛び立ってしまうので、なかなか至近距離での対面は難しいのですが…水辺の小道(観月楼側)の園路から双眼鏡などで観察するのがおすすめです。窓口では双眼鏡の貸し出しサービスも行っていますので(3時間500円)、ご所望の方はお声掛けください。双眼鏡があると、より一層楽しめるのがこの時期の公園です。
マガモ以外にも、茶色い頭のホシハジロや鮮やかな羽色のオシドリなどが訪れることもある永谷池、今年はどんな鳥たちが立ち寄ってくれるでしょうか。これからが冬鳥の季節、今年の出会いも楽しみです。
以上、この季節の見どころをご紹介しました。急な寒さに体が追い付かない日々ですが、公園の散策が体を動かす機会になりましたら幸いです。