二十四節季「霜降」に合わせ、こちらのページで水景園のみどころを紹介いたします。 ====================(2023.10.30更新)
つい先ごろまで「暑い」「暑い」と言っていた気がしますが、あっという間に朝晩肌寒くなりました。公園の植物たちも気が付けば秋の様子に様変わりしています。落葉樹の紅葉は、カツラやサクラが他に先駆けて10月頃から始まっていますが、これからがモミジの紅葉のベストシーズンでもあります。
お客様の多くなる時期でもありますので、ゆったりと散策を楽しみたい方は午前中がおすすめです。
★モミジの見頃
例年11月中旬、とご案内しておりますが、どこを視点とするかで見頃は少し変わります。
この公園は「橋の上から」の眺めも大きな特徴です。樹木は上から色を変えていきますので、上から見た景色の方が色づきは早く感じます。
個人的には、上から見る赤い葉が落ちきらず、下からは緑や黄色くなりかけた葉のグラデーションが同時に見られる11月上旬の景色もおすすめなのですが、この辺りはお好みもありますね。全体的に赤くなるのはやはり中旬でしょうか。
●その足元に…
どうしても上を向きがちなこの季節ですが、紅葉谷のモミジの足元には、この季節ならではのお花たちも咲いています。
★ホトトギス
紅葉谷の水際に生えているのはこのホトトギス。茶花にも使われる多年草です。ほんのりと柔らかい紫~ピンクがかった花色で、頭上の紅色との競演が楽しめますね。楚々とした風情ではありますが、日本原産で山野にもたくましく生え、花期も長い植物です。
★ツワブキ
11月、晩秋を鮮やかに彩るキク科の植物。紅葉谷だけでなく、巨石群や谷あいにも点在しています。葉はつやのある常緑で、耐陰性も強いので庭植えにも重宝されます。ここから11月の末頃まで、秋の最後を彩ってくれる植物のひとつです。
★ホオノキ
巨石群と紅葉谷の上部にあるこのホオノキ。葉がかなり大きく、落ちていると思わず手に取ってみたくなります。
物を包めるほど大きな葉は、朴葉味噌や朴葉巻き、朴の木団子など、敷いたり包んだりと重宝されてきました。または材はやわらかく加工しやすいので、朴歯下駄や版木など生活にも取り入れられてきました(少し緑がかった色をしています)。身近な樹木ではありますが、見上げる程のびやかで、大きなその姿には圧倒されます。子供さんたちもこの大きな葉がお好きなようで、つい手に取りたくなるようです。
公園では植物の採取は禁止されていますが、落ちている葉やどんぐりなどは持ち帰っていただいて大丈夫です。ただし実は鳥や動物の冬の食料になり、葉はいずれ植物たちの養分になります。無理に沢山拾ったり、持ち帰ることはご遠慮くださいね。
モミジだけでない、今の見頃の植物たちをご紹介しました。多くの実りを感じられる季節です。どうぞゆっくりと、散策をお楽しみくださいね。