2月も中頃になると、公園ではウメが見頃を迎えます。ウメの開花は「梅一輪 一輪ほどの 温かさ」の俳句に詠まれるように、一輪また一輪と日を追うごとに咲き増してゆきます。
日本人とウメの歴史は古く、奈良時代に遣唐使が未熟なウメの果実を燻製して加工した「烏梅」を生薬として持ち帰えり、その後に樹木が渡来したとされています。この頃、花見といえばサクラではなくウメが主流だったそうで、万葉集に詠まれている和歌に登場するサクラが43首なのに対してウメは110首と当時の人気ぶりが伺えます。
現在では園芸品種を含めて約500種のウメの品種が存在しており、それらは用途によって大きく次の2つのグループに分けることができます。
【実ウメ】
果実を食用にするためのウメで、南高、白加賀、豊後などが代表品種。
【花ウメ】
花が大きく、観賞用のウメ
また、変わり種として一本の枝に紅白両方の花をつける品種(咲き分け)や、一輪の花に紅白の花弁をもつ品種(絞り)もあります。
春の訪れを感じる公園で、ぜひお気に入りのウメを探してみてください。