二十四節気「雨水」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。

2021.2.18「雨水」——————————————-

雪が雨に変わる頃、雨水です。寒い冬の間お休みしていた植物たちも、雪解け水で目を覚まし始めます。

★森の園路工事について

「お知らせ」欄にも記載がありますが、3月末日頃まで、森の大部分の範囲が通行止めとなります。ウォーキングルートとしてご活用いただく方も多く心苦しいのですが、快適な歩行空間維持のための工事ですので、ご理解いただけますと幸いです。

なお、園路開放時期については、詳細が判明し次第「お知らせ」欄で告知させていただきます。

★香雪宮粉(梅)
水景園の「穴場の梅」と言えば、果樹園から山棚田へ抜ける道の途中にある大きな梅の木です。品種名を香雪宮粉(こうせつきゅうふん)といい、桜のように淡いピンクの花を咲かせます。周りの木々が葉を落としたままで、まだまだ寒々しい景色の中、ぽっぽっと可憐に咲く梅に心が暖かくなります。

★スイセン
立春の頃には数えるほどしか咲いていなかった果樹園のスイセンですが、今見頃を迎えようとしています。ところで、日本でスイセンと言えばこのニホンズイセン。「ニホン」とついていますが、平安時代~鎌倉時代に、遠くヨーロッパの地中海周辺から中国を経由して日本に帰化した植物です。スイセンには八重咲のものや眩しい黄色の種類がありますが、ニホンズイセンの素朴な美しさがどこか「ニホン」らしいのかもしれません。

★タチツボスミレの仲間
一足先に春を感じさせてくれているのが山棚田に咲くタチツボスミレ(の仲間)。本来は4月~5月に花が咲くのですが、この場所は日当たりが良いせいか、毎年一足も二足も先に咲いているようです。花に匂いはありませんが、寒空の下、小さくも鮮やかな紫色の花を咲かせる姿を探してみて下さい。

★クロッカス
里棚田の横にある作業庭。今はほとんどの植物がお休みしていますが、クロッカスの明るいオレンジ色が目を引きます。花の見頃は2週間程ですが、曇りの日や夕方など陽が出ていない時には花を閉じているかもしれません。

水景園の作業庭とは・・・かつて農家にあった様々な作業を行う場(庭)をイメージしてつくられた小さな庭。綿を栽培したり、観賞用のお花を育てたりといろいろな使い方をしています。

★ナズナ
春の七草のひとつであるナズナが里棚田で咲き始めました。春の田んぼの風景と言えば、ナズナ(とレンゲ)を思い浮かべる人も多いかもしれません。ハートの形をした実を切れない程度に下に引っ張って、くるくると回し、シャラシャラという音を楽しんだあの頃…なんて思い出に浸りながら里棚田をゆっくり歩くのもいいものです。

この季節、里棚田の辺りをウロウロしているオオバンという鳥がよく見られます。名前の由来は「田の番をする鳥」からきているそうで、由来の通り、里棚田の畑の番をするように歩き回っています。(その報酬?に畑の野菜を少し食べているようです)警戒心が強いので近づくとすぐに池に下りて遠くに泳いで行ってしまいますが、屋上棚田や観月楼からは気付かれずに観察することができます。

まだまだ気温が低い日が続きますが、春の訪れを知らせる植物たちを愛でに水景園へぜひお越しください。


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