春分を過ぎ、春本番を迎えました。今日(3/27)の気温は20℃を超え、初夏さながらの陽気です。
今年は花の開花が全般的に早く、公園のソメイヨシノも3月16日に開花を確認しました(過去最も早い開花です)。今がちょうど見ごろのサクラですが、公園にはいくつかの種類がありますので、この機会にそれぞれを解説したいと思います。

★ソメイヨシノ
「桜」と言われ、一般的にまず思い浮かべるのはこの品種かと思います。エドヒガンとオオシマザクラの交雑種で、花が一斉に咲くのが特徴です。ただし、本来寿命が短い品種のため(50年くらいが一般的とされる)、各地で植え替えが進んでいます。広場の桜も少しずつ、別種に移行する予定です。

最盛期も美しいですが、花吹雪となって舞い散る姿も日本人好みする風景のひとつ。また、公園では散った花びらを池に浮かべる演出を行うこともあります(「花いかだ」と呼ばれます)。

広場に約300本、水景園内にも数本あり、公園の開花情報も、基本的にはこの品種を基準にしています。

★ヨウコウ
カンヒザクラとアマギヨシノの交雑種で、濃いピンク色が特徴です。無料広場の展望東屋付近に固まって植わっています。公園の桜の中では早めの開花で、ソメイヨシノより若干早めに咲き、春の訪れを告げてくれます。

★ヤマザクラ
水景園内、池の端(風の門近く)の大木が数本あります。今年は姿を整えるため大剪定をしているものも。ヤマザクラの系統は、花と同時に紅い葉が展開するのが特徴。華やかなソメイヨシノより、野趣のあるこちらを好む方もいらっしゃいます。
 

★ヤエベニシダレ
水景園内に数本ある、枝垂れ(枝が垂れ下がる)の品種です。水上舞台横のものが見やすいです。ソメイヨシノより少し遅めが見ごろ。花色が濃く花びらも多い八重咲きで、満開の頃はとても見ごたえがあります。枝ごと風に揺れる風情を楽しんでください。

★カスミザクラ
ヤマザクラとよく似ますが、花柄や葉柄(つけね)に毛が生えることが多く、「ケヤマザクラ」とも呼ばれます。ソメイヨシノやヤマザクラに比べて花期が遅く、4月頃からが見ごろ。
芽ぶきの森内に多数生えており、4月以降、カスミのように咲いているサクラは主にこの種類です。

サクラの種類は非常に膨大で、見分けにくい品種もありますが、今回は公園で見つけやすい種類を解説しました。代表的なソメイヨシノ以外のサクラもありますので、時期や場所を変え、是非見にお越しください。


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