夏の芽ぶきの森には、様々な昆虫の姿がみられます。なかでも、一番のお楽しみといえばコナラやクヌギなどの木から染み出す樹液に集まる昆虫たちではないでしょうか?

大きく力強いカブトムシや大あごを振りかざすクワガタムシをはじめとする昆虫を捕まえるには、まず樹液の出る木を探さなければいけません。

 樹液の出る木を見つけるには、いくつかの方法があります。日中であれば木の周りをチョウが飛びまわってるような場所は、近くで樹液が出ている可能性があります。甘酸っぱい独特の香りを頼りに探してみるのも良いでしょう。

 樹液は、木の幹などにできた傷から染み出した糖が発酵してできたものです。一時的な傷であれば、ほどなく傷が塞がるので樹液は次第に出なくなりますが、スズメバチやカミキリムシなどの昆虫は頻繁に木を傷つけます。そのため、傷口からは樹液が染み出続けます。特にボクトウガというガの幼虫は木の内部に潜って材をかじり続けるため、長期間にわたって樹液を染み出させることが知られています。

 また、同じ木から染み出る樹液でも、昼と夜では昆虫の顔ぶれが一変します。昼間はジャノメチョウやタテハチョウの仲間をはじめ、綺麗な色のカナブンやカミキリムシの仲間が集まります。夜から早朝にかけてはカブトムシやクワガタムシが活発になる時間帯です。ムラサキシタバやキシタバなど「カトカラ」と総称される大きく美しいガがやってくることも忘れてはいけません。

 たくさんの昆虫があつまる樹液には、スズメバチやムカデもやってきます。危険な生き物とも十分な距離を保ちながら、夏の昆虫採集を楽しみましょう!


< 過去の記事 公園よろず手帖 トップ 新しい記事 >