二十四節季「秋分」に合わせ、こちらのページで水景園のみどころを紹介いたします。
====================(2023.9.23更新)
「秋分」
爽やかな風が嬉しい季節の到来です。例年よりも暑さの続いた今年ですが、日毎に秋の深まりを感じられるようになりました。
この「秋分」、現在ではシルバーウイークとして連休になり、遠出の旅行や大型フェスに参加される方、お仕事の方、家事や育児を頑張っておられる方…
ご家族やご友人に会うために帰省される方もいらっしゃるかと思います。
深まる日本の秋には、豊穣感謝や祖先崇拝の祭礼が国内各地で行われてきました。
いのちの繋がりを深く感じられるこの頃、大切な人を想いつつ、公園の散策にでかけませんか?
■リコリス(果樹園、里棚田付近)
お彼岸の頃になると土手や畦を彩る植物にヒガンバナがあります。水景園では、8月下旬から10月にかけて、彼岸花の仲間・リコリスが開花します。赤だけでなく、白や黄色、ピンク色と季節を追うように長くお楽しみいただけます。
特に里棚田では古来から親しまれて来た赤色が、果樹園周辺では白・黄・ピンク色等の品種が群生します。撮影の際は、足もとやお荷物にどうぞお気を付けてくださいね。
■ホトトギス(芽ぶきの森入口)
ホトトギスを連想させる模様をした花弁で、水景園内では、芽ぶきの森に差しかかる場所、カキツバタが群生するあたりに繁茂します。本州中部以南の産地の半日かげに好んで映える植物で、園芸種も生み出され、庭園の植栽の他、切り花、茶花としても親しまれています。楚々とした雰囲気のある植物で、日本の風景によく合います。
■ダンチク(水上舞台周辺)
9月下旬になると、一気に穂が伸びはじめたダンチク。その高さは2~4メートルほどまで成長します。
春から初夏にかけては、白色からクリーム色の縞状の斑が入った葉色をしますが、盛夏を迎えるにつれ、深い緑色に変化します。秋の催し「観月の夕べ」(今年度は9月30日(土)、10月1日(日)開催)では、この立派なダンチク越しに名月を鑑賞できるかもしれません。
関西の一部の家庭では、寿司を包むために用いられたり、九州の各地域では、もち米を使用した煮込み料理を作る際に粽のように葉を巻いて調理するなど、鑑賞だけではなく、暮らしのなかで重用された植物です。
■ツルボ
ひっそりと咲く薄紫色の花。里棚田の池側にあり、「つちのこ隊」(註1)の皆さんなどと季節の野菜を収穫する畑の隅で開花しています。穂のように蕾がたくさん付き、下部から順に開花します。
かつて、医療や薬品が十分ではなかった時代では、皮膚病・神経痛・火傷・切り傷の処置として球根を摺って、湿布薬としたそうです。
日本各地の山野や畦道など日当たりの良い場所に自生する在来種。皆さんのお近くでも花を付けているかもしれません。
※註1…親子で田畑の農作業を通じて日本の文化や生き物、植物に親しみ、学ぶこのとできるイベント
これからの季節を彩る植物は、水景園受付で販売している『花暦ガイドマップ(秋~冬)』、『紅葉ガイドマップ』(1冊/各100円)でご確認いただけます。
澄んだ空気のなか、これから深まるけいはんな記念公園の秋をどうぞお楽しみください。
※公園内での植物採集は禁止されています。
※落ちている枝・葉、これからの季節でしたら「どんぐりの実」などの持ち帰りは構いません。