二十四節気「秋分」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。
——————————————–2022.9.23秋分
昼夜の長さが同じになる「秋分」です。昼間こそ夏のような気温になることもありますが、朝晩はぐっと気温が下がり、本格的な秋を感じられるようになって来ました。
里棚田では今、ヒガンバナが盛りを迎えています。黄金色に実った稲穂とかかし、そして真っ赤なヒガンバナ。秋空に映える組み合わせです。こちらは日本の里山をテーマに持つ庭園ですが、この秋の田の風景は、特に象徴的なものかもしれません。ヒガンバナの他にも畔には秋草が咲いており、写真を撮ったり、散策するのも楽しいエリアです。
★ヒガンバナ
この時期の里棚田での主役と言えるかもしれません。色々な別名を持ち、良い意味の名前ではないこともありますが、独特の花姿と鮮やかな赤が目を惹くこの季節の風物詩です。9月初旬からぽつぽつと咲き始めていましたが、毎年、お彼岸の頃に見頃を迎え群生となります。
里棚田のほか、無料エリアの梅林付近にも群生しています。カメラ片手に、こちらも是非散策してみてください。
★ハギ(ミヤギノハギ)
秋の七草のひとつ。風にそよぐたおやかな草姿と楚々とした風情の花は、和の空間によく似合います。中国からの古い時代の帰化植物ですが、すっかり日本の秋を代表する植物として定着しています。紅葉谷の上の方に株があります。
★ツルボ
飢饉の時、食料としてつかえる植物を救荒植物と呼びますが、ツルボもそのひとつです。地下に2-3cm の鱗茎を持ち、これを晒してあく抜きをし、食用にしたといわれています。淡い紫の穂状の花を下から順に咲かせるその草姿も可愛らしいです。里棚田の畔に、ヒガンバナに交じって咲いています。
★フジバカマ
こちらも里棚田付近で確認できます。自生のものは京都府レッドデータブックにも記載されている希少種ですが、近縁種を交雑させた園芸種が一般に出回っています。クマリンという芳香成分を持ち、乾燥させたフジバカマは昔から、匂い袋などの原料に使われてきました。草丈1.5mほどになる草本です。
★ベニバナトキワマンサク
落葉で黄色い花を咲かせる「マンサク」もありますが、こちらは別種の常緑の花木です。本来の花期は春ですが、このように秋に咲く事も(明確に二期咲きとは記載されていませんが、公園でも秋の開花はしばしば確認されます)。リボン状の花弁がくるくるとカールして咲く様子はじっくり観察してみても面白いです。ビジターセンターの外周部分(作業庭付近)にあります。
★ナンバンギセル
ススキを主な宿主とする1年生の寄生植物です。夏から秋にかけ、ススキの株元で紫色の花を咲かせています。葉緑素を持たない寄生植物のため、茎が黄味や赤味がかった茶色をしています。1年生のため、年によって出現場所は変わりますが、公園で毎年確認できるのは、水景棚でスイレンの植わっている辺りでススキやイネ科植物の足元にひっそり佇んでいます。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、暑すぎず寒すぎない、散策には絶好の季節となりました。秋の気配を探しに、是非遊びにおいでください。