二十四節気「小満」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。

——————————————–2022.5.21 小満

夏の2番目の節気になりました。本格的に暑くなる前、夏めいてくる時期です。気温も水温も上がり、植物や生きものたちも日差しを浴びぐんぐん育ちます。梅雨入り前のひととき、散策をお楽しみくださいね。

★水辺の植物
水温が上がってくるこの季節、水辺の植物たちも花を咲かせ始めます。先の節気から見頃のカキツバタをはじめ、水辺周辺にも注目してみてください。

●スイレン
5月の半ばころから花が咲きはじめました。ハスに比べて花期が長く、この時期から夏の終わりまで咲き続けます。公園には白とピンクの品種がありますが、例年、白が先に咲くようです。水景棚の夏の見どころの一つですが、昼以降、花が閉じますので午前中の観察がおすすめです。

●コウホネ
里棚田・田んぼの脇に湿地があり、水を好む植物たちが植わっています(ハンゲショウのポイントのひとつでもあります)。ここで、夏の初めから初秋まで花を咲かせるのがコウホネです。ツヤのある「矢じり」状の葉を持ち、短い花径に黄色い花をひっそり咲かせています。コウホネ、とは「川骨(河骨)」の意味で、地中を渡る白く太い根(地下茎)の様子から名付けられたようです。

●キショウブ
水景園内の植物ではありませんが、無料区域で今が盛りと咲いているアヤメの仲間(Iris属)です。遊具広場や谷あいで、ハナショウブやフトイなどに混じって黄色い花を咲かせています。明治頃にヨーロッパから導入されたものが各地に逸出した外来種です。生育力・繁殖力が旺盛なため、場所によっては在来種を脅かし駆除の対象にもなります(日本の侵略的外来種ワースト100)。公園では今のところ、逸出しないようコントロールしながら共存を続けています。

★その他のお花たち

●ヤマボウシ
この時期、橋の上から紅葉谷を見ると、星を散らしたような白花が確認できます。ヤマボウシです。白い部分は花に見えますが、実は4枚の総苞片と呼ばれる葉の一部です。街路樹等でよく見かけるハナミズキも近い仲間です。高木の場合、通常なら花は下から見上げる形になりますが、水景園では橋の上から見下ろせるのがポイントです。

●ネジキ
こちらも初夏の白い木の花です。幹がねじれているから「ネジキ」。壺状の小さな花が、下向きにずらっと並ぶ様子が特徴的です。高木が多いですが、足元に花が落ちている事があるので、上を見上げて見つけてみてください。葉はカキノキのような、鋸歯(ぎざぎざ)のない幅広い形をしています。

今が見頃の植物をご紹介しました。初夏の木の花は白いものも多く、どこか涼し気ですね。梅雨の前、夏の前のこの気候の良い時期、是非、散策を楽しみにおいでください。


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