けいはんな記念公園をご利用いただいている皆さんにとって、当園はどのような存在でしょうか。芝生広場で遊ぶ、ウォーキングする、愛犬を散歩させる、ちょっと休憩、広場出店でお買い物…多様な公園利用をしていただいていると思います。そして、芝生広場エリアと共にあるのが、水景園エリアです。『近くの公園やけど、そんなん知らんかったわ~(笑)』というお声も時々伺います。日常的に公園にお越しいただいている方も、これからけいはんな記念公園に行こうと思われている方も、ぜひ今、水景園の景観をご覧いただきたいと思います。岡山の犬島から運んできた巨石が連なるエリア、高さ約10メートルの観月橋、苔むした庭園内や自然林エリアに映える四季折々の花々。日本の原風景や日本文化を体感できる水景園は、日々の喧騒を忘れさせてくれるはずでしょう。

そんなけいはんな記念公園は、日本の文化を大切にしています。
これからの季節は桜や様々な植物が開花し、鮮やかになる季節です。桜のシーズンを終えると、端午の節句です。執筆者が未就学児だった30年前は、4月に入ると至るところで鯉のぼりが立てられました。青空になびく大きな鯉のぼりは、幼少期の大切な思い出になっています。日本の行事は、現代の住空間や生活様式の変化で、家庭で行われることも少なくなっていると耳にします。公園では、そんな古くからある四季の行事を子ども達だけでなく、大人や高齢の方、または日本に訪れた外国の方などみなさんに普及、継承していけるように努めています。
さて前置きが長くなりましたが、今回は鯉のぼりについて紹介します。まだ3月で雛人形も飾られている場合もあったり、桜シーズンもまだですが…「鯉のぼり」です。といいますのも、当園では既に端午の節句に向けた準備をはじめているからです。

この写真は昨年、けいはんな記念公園の水景園に揚げられた鯉のぼりです。青空に映える鯉のぼりは、圧巻です。黒鯉は6mのサイズです!見ているだけで時間を忘れてしまいそうです。
日本独自の文化である鯉のぼりですが、その由来や歴史を振り返ってみると、中国故事に謂れがあり、江戸時代後期以降に一般的に広まった比較的新しい文化であるのです。元は真鯉一匹だけを揚げていたものが、赤鯉も揚げられるようになり、次第に黒鯉・赤鯉がセットになり、昭和の頃には青鯉も誕生し、橙鯉や緑鯉の生産は、東京オリンピックが契機になっているという一説も。現代には、紫や桃色をした鯉のぼりもみられるようになりました。鯉のぼりだけでなく、雛人形等の節句もののしつらえは時代に即して進化し、子どもの健やかで明るい未来を願った家族や職人、人形店の願いの表れでもあるのです。
当園ではこれまで、2020年の鯉のぼり2022年の鯉のぼりを動画やブログで紹介してきました。興味ある方はリンクからその様子をご覧ください!

今回は、その鯉のぼりのメンテナンス作業をちょっとだけ紹介します。
黒・赤・青の鯉と吹き流し。そのなかで最も色の変化があるのが、赤鯉です。赤の染料は、直射日光での色落ちが激しいようです。そのため、公園では赤鯉の色塗りをマーカーで施しているのです!特に今年は鱗部分の改善を目指しました。遠くから見て、鱗部分がグラデーションに見えるように、色落ちしてしまった鱗の模様部分を蛍光ピンクで塗り重ねました。そして、顔部のデザインの一部や背びれ、胸びれ、尻びれも同様に。最後は、尾ひれです。
丁寧に丁寧に…遠くからみるグラデーションが美しい!
このように完成しました☺

水景園に立てられるのは、4月中旬以降の予定です。どうぞお楽しみに。


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