二十四節気「芒種」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。
——————————————–2022.6.6 芒種
夏の3番目の節気、気温も高くかなり夏に近い気候になりました。芒種の「芒」はイネやムギの「のぎ」の部分であり、この種類の種をまく時期とされています。暦どおり、この6月4日に里棚田では田植えを行いました。「つちのこ隊」のイベントで、子供たちと行ったのですが今年は2年ぶりの開催でした。水の張られた田の景色は、日本の原風景のひとつですね。
水と言いますと、無料区域内の小川やじゃぶじゃぶ池での水遊びも楽しい季節です。ときどき「湧水ですか?」というご質問をいただくのですが、公園の小川の水は、ポンプで循環させています。小川にサイン掲示もしていますが、水遊びの後は手を洗ってお帰りくださいね。
★初夏のお花たち
〇アジサイ
梅雨時期の花、アジサイが咲き始めました。「群生」という訳ではないのですが、紅葉谷を中心にあちこちに株が植わっています。花形・花色ともに様々な種類があります。ぜひ、お気に入りを見つけてみてください。元々持っている花の色素に加え、土の酸度で花色が変化します。
〇ギボウシ
日陰を好む多年草で、葉色やその模様にバリエーションがあります。どちらかというと葉を楽しむ要素の強い植物ですが、この時期は薄紫色の涼し気な花を咲かせています。林床や湿地などやや湿り気のある日陰が自生地なので、公園でもそのような場所に植栽されています。
〇ヘメロカリス
初夏に咲く多年草で、この仲間にはヤブカンゾウやニッコウキスゲなど、日本の自生種も含まれています。公園で、観月楼デッキや水景棚に植わっているのは園芸種。欧米では「day lily(デイリリー)」と呼ばれる一日花で、蕾が次々に咲いて長く楽しめます。夏が始まり、花が少なくなっても元気に咲き続けてくれます。
〇ヒメシャラ
小さな白い5枚花弁の花をたくさん咲かせる花木です。葉が小ぶりで、幹も艶があり美しく、庭木に使われることもあります。観月楼デッキや水景棚、巨石群周辺で見られます。初夏の花木です。
〇ソクシンラン
山棚田側から森に入った辺りの、乾いた斜面でよく見られます。「束芯蘭」と書き、立ち姿も何となく野生のランを感じさせますが、ランの仲間ではありません(キジカクシ科)。小さな花ですが、よく見ると花弁の先がほんのりと色づいていたり、葯(雄しべの先の花粉のある部分)が朱く色づいていたり可愛らしい姿をしています。見つけたらゆっくり観察してみてください。
〇ナンテン
赤い実でおなじみのナンテンですが、お花はこの時期に咲いています。巨石群や紅葉谷、また水景園の入り口近くにも株があります。花が散ると青い実が付き、冬頃に綺麗に色付きますが、鳥に食べられる事もしばしばあります。
この時期のお花をご紹介しました。田に水が入り、梅雨入りもそろそろという潤いの時期。雨は外出が億劫になりがちですが、曇りや雨のシーンはまた、晴れ間とは違う表情を見せてくれます。この時期の生きものたちに会いに、是非お越しください。