————————————–2021.6.21「夏至」

二十四節気「夏至」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。

●夏の盛り
二十四節気上では、5月の立夏から夏が始まり、この夏至で夏のピークを迎えます。夏の入口という感覚がありますが、暦の上では夏の盛り。ここから冬至に向かって、日はだんだんと短くなっていきます。
ただし暑さの本番はこれから。日中はこまめな水分補給をし、熱中症にお気をつけください。

●夏至と半夏生
二十四節気・夏至の末項を半夏生(はんげしょうず)と呼びます。例年7月の2日~6日頃になることが多く、田植え後の休息期とされています。このころ、公園のハンゲショウの色付きも盛りに。ただし、ここでいう「半夏」は写真の「ハンゲショウ」ではなく、現在は「カラスビシャク」といわれる別の植物です。

芽ぶきの森のハンゲショウの群生は、森のいちばん奥のビューポイント。一面の葉の色づきは、まるでお花が咲いているようにも見えます(ほかに、里棚田の脇にも小さく群生しています)。

この色づきは花の時期だけのもので、目立たない花に虫を誘うためとも言われています。お化粧したような様子から「半化粧(漢字違い)」「片白草(かたしろぐさ)」などの異名もあります。

★その他の見頃の植物たち

●キンシバイ

竹林東屋の近くの園路沿いにあります。また、公園東側(リカーマウンテンさん側)の歩道との境界にも植わっています。写真ではわかり辛いですが、名前の由来となった糸のような無数のおしべが特徴的です。黄色の花弁が華やかな、半常緑低木です。

●ウスノキ

芽ぶきの森にある落葉低木で、この時期に紅い実を付けるウスノキです。先端のくぼんだ果実の形が、「臼」に似ていることから名付けられたと言われています。低木であり、足元などにある株は、よく見ないと見落としてしまうかもしれません。思わず触れてみたくなる瑞々しさですが、園内の植物の採取はご遠慮くださいね。

●ムラサキシキブ

こちらも芽ぶきの森に生えています。高さ3mほどになり目線より高く育つため、見つけにくいかもしれませんが、秋に色づく実のほか、花も美しい紫色をしています。小花ではありますが、花の少ないこの時期の森にあって、彩りを添えてくれる樹木です。

●アカメガシワ

こちらも森のお花。アカメガシワは「先駆種」と言われ、きびしい環境である荒れ地へ最初に侵入する種類の植物です。葉が大きく、また枝ぶりも大胆。雌雄異株で、雄と雌とで花の質感が違います。写真は雌花で、ベージュのベルベットのような質感にも見えます。都会のどんな荒れ地でも生えてきて、決して珍しい木ではありませんが、その花の質感はなかなか愛らしいものです。水辺の小道沿いの岸側に生えており、葉もお花も近くで見られます。

●アジサイ

梅雨や雨の似合う花といったらこのお花ではないでしょうか。紅葉谷に点在しており、また、水景園入口近くの斜面にもまとまって生えています。ブルー系の花色は、この時期に見ると涼し気ですね。7月上旬頃までは十分に見応えがあります。

以上、水景園内の見ごろの花を紹介しました。今回は森の植物が多めです。暑くなる前のこの時期、是非一度散策してみてくださいね。


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