二十四節気「処暑」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。
2020.8.23 「処暑」
★暑さ処す
「処」には「止む、止める」の意味があり、処暑の頃から暑さが収まるとされています。
そんな夏の終わりごろ、華やかさを増す花木がこのサルスベリ。フリルのような花びらを持ち、鮮やかな花色のものも多いです。水景園ではちょうどこの時期、観月楼脇の光の庭で2色のお花を見ていただけます。
★ツルボ(芽ぶきの森)
芽ぶきの森、最奥部分に群生しています。夏の終わりから秋のはじめに山野に咲く草花で、根(鱗茎)にデンプンが多く、救荒植物(※1)として利用されていました。小ぶりではありますが、ヒアシンスやムスカリに似た(実際に仲間でもあります)可愛らしい花姿をしています。
※1…飢饉の際、間に合わせとして食用される植物
★イネの花(里棚田)
私たちの主食のお米、その花を見たことはあるでしょうか。写真で黄色いつぶつぶに見えるのは、イネのおしべです。イネの花は、昼間の数時間しか開きません。雨の日は咲かず、受粉したあとはすぐに閉じてしまいます。全体が1週間~10日ほどで咲き終わることもあり、なかなか貴重な開花風景です。是非観察してみてください。
★コムラサキ(紅葉谷)
紅葉谷のコムラサキが色づいてきています。完全に色づいてからも美しいのですが、グリーンから紫へ、徐々に色が移り変わる様子はこの時期ならではのものです。その他、紅葉谷ではハギやホトトギス、ノカンゾウなどのお花も楽しめます。
★ウドとハチの関係
芽ぶきの森で、ウドの花が咲いています。
ポンポンのような愛らしい形をしており、この後、秋には黒っぽい実もつけます。
さて、このウドはハチが好むお花のひとつでもあります。ハチは舌が短いため、ウドやヤブガラシなどの細かくて蜜線が露出している花を好むようです。
これから秋に向け、ハチの活動が活発になる時期でもあります。森の中にはハチのトラップをしかけており、お客様に被害が及ばないような工夫をしています。
が、森などの木々の多い場所に入る際は、
◎肌の露出や、黒っぽい服装を避ける
◎香りのあるものを身に着けない
などの自衛をしていただくと安心です。自然の中の遊びや散策は楽しいものですが、様々な生き物の棲み家でもあることも、忘れないでいたいと思います。