今月、公園では虫にちなんだイベントが開催されています。
「ムシムシ写真展」では、撮影者(=わたし)とは別のスタッフが、これまで公園のSNSに掲載した昆虫の写真からいくつかを選定し、生態などのコメントを加えたレイアウトを施してくれていて、とても素敵な写真へと変貌しています。
さて、公園では昆虫に関する様々なイベントや教育活動のほか、日常の季節感を発信する際にも昆虫たちに一役買ってもらっています。
昆虫は「身近な自然」を担う大切な存在であり、大きなテーマ。我々スタッフにとって欠かすことのできない仲間ともいえます。
今回は、私と昆虫との日々のふれあい、特にカメラ越しに覗いた昆虫の表情を中心に紹介します。
*撮影対象として
公園の今の様子や季節感がわかるような被写体を日々求めている私にとって、昆虫はとっても大切な「仕事仲間」。SNS上に昆虫が登場する頻度は結構高めです。
二十四節気(啓蟄など)や七十二候(蟷螂生、菜虫化蝶など)にあるように、サクラやモミジ、その他の花々と同様に、昆虫もまた季節の移り変わりを反映しているといえます。
*ルーペ越しに
携帯カメラで難しい接写時には、ルーペが活躍します。見ているようで見えていない…、いつもとは違う昆虫たちの姿に出会うことができます。
*目の輝き
複眼ともよばれる昆虫の目、深い色をしています。慎重に近づいて撮らせてもらいます。
*目があう
逃げるか、逃げられるか…、にらめっこ。
*上から目線
特に蝶々を撮影する際に意識するのは「上から目線」。お菓子のように、ひとつまみ出来そうな質感を求めています。
*羽化
昆虫にとって羽化する瞬間はとても無防備な状態。更なる成長に向けて、かけがえのないプロセスに出会えたならば、その無事に羽化を終えるまで見守りたいものです。
*捕食
生物の世界は弱肉強食。生き物どうしの繋がりでもあります。獲物を取り逃がすこともしばしば。捕食者、被食者との攻防に緊張感が走ります。
*構造色
自然界の生物が持つ様々な原理を模倣し、工業的な応用を試みる分野「バイオミメティクス」にも活用されている「構造色」。この構造をもつ昆虫を目にすると、写真に収めないわけにはいきません。
*交尾
次世代への命のつながり。来年も昆虫たちに出会うことができる、と実感する瞬間です。
*手にのせて
もはや自己満足の世界。個体によってその距離感は異なります。差し伸べた手に乗ってくれると、とても嬉しい!
*命の終わり
毎年、各季節の始まりと終わりにおとずれる「出会いと別れ」に一喜一憂。
*こんなところに…?
「こんなところで」出会う昆虫のトップはカマキリ。
私が公園で出会った昆虫たちの風景、如何でしたか?
昆虫たちに寄せる私の想い、それはおそらく片想い…。
彼らと接する時間を少しだけ共有させていただいて、その時に覚えたささやかな感動が少しでも伝われば、と思います。