水に入るのが気持ちよい気温になってきた頃から、公園ではたくさんのザリガニ釣り人の姿を見ます。

例年、ザリガニ釣り用のエサ付きの竿を貸し出していたのですが、今年は新型コロナウイルスの影響でレンタルは中止…。それでも自分達で竿を作って多くの人がやってきます。ザリガニの人気は凄まじいものです。

公園でも夏の風物詩のひとつなったザリガニ釣りですが、みなさんが思い描くザリガニはどんなものでしょう?きっとこんないきものではないでしょうか?

このお馴染みのザリガニ、実は本当の名前を「アメリカザリガニ」といって、名前の通りアメリカからやってきた外来種なんです。アメリカザリガニは汚い水の中でも生きることができる上に、繁殖力も強く、食欲も旺盛…そう、とにかく強い。

彼らがやってきた、いや、人間に「連れてこられた」理由は…

 

ザリガニをウシガエルの餌にするため

 

ウシガエルってザリガニ食べるんだ!と驚くと同時になんで「ウシガエルのためにわざわざ?」とも疑問が湧いてくるのでは?

その答えは…

 

ウシガエルを人間の食料にするため

 

ウシガエルなんて食べたことないよ!という人がほとんどだと思います。でも昔の日本では高たんぱく質なカエルのお肉は栄養価の高い食料のひとつでした。特にウシガエルは日本に昔からいるカエルたちの何倍もの大きさで、1匹からとれるお肉の量も桁違い。しかし、ウシガエルは口に入る大きさのいきものはなんでも食べちゃうほど食欲旺盛で、日本の生態系にも影響を与えている困った存在になってしまいました。

ウシガエルの食欲を満たすために連れてこられたアメリカザリガニは、その繁殖力と生命力の強さで瞬く間に日本全国に生息域を広げ、もはや「夏の風物詩」のひとつにまでなってしまいました。

さて、ここで疑問に思うことがもうひとつ。

日本で昔から生きているザリガニは?

はい、日本にも「ニホンザリガニ」という在来種がいます。

しかも在来種はこの1種類だけ。

しかもしかも、高い水温が苦手なため、夏でも水温が20℃を大きく超えないような場所にしか暮らしていないそう。

出会うのはなかなか難しそうです。

残念ながら、けいはんな記念公園にいるザリガニはすべてアメリカザリガニです。大きなハサミを振りかざすそのクールな姿が子供たちにはとっても人気ですし、これからも公園の夏の風物詩として活躍してもらいたいと思っています。

でも、アメリカザリガニもウシガエルも人間のエゴによって海外から連れてこられたいきものたち。日本に昔からいるいきものを大切にするためにも、海外から連れてこられて増えただけで処分されるいきものを減らすためにも、外来種について少しだけ考える時間を持ってみるのもいいかもしれません。

 

ザリガニの釣り方や竿の作り方については、動画「公園でガサガサ!」をチェック!


< 過去の記事 公園よろず手帖 トップ 新しい記事 >