秋の訪れが遅く、季節がなかなか進まないと思っていたら急に冷え込んできました。
体調を崩さない様お気をつけください。

秋は収穫の季節。
公園では参加型のイベント「つちのこ隊」で毎年稲作をしています。
ここで作っているのはもち米ですので、収穫したもち米でお餅をついて、一年の活動が終わります。

 

 

 

餅つき

けいはんな記念公園の餅つきには「つちのこ隊」の方しか参加いただけませんが、今年は12月7日の予定です。

 

 

 

 

 

餅つきが迫ってきてふと思い出した、餅にまつわる不思議な昔話をご紹介します。

※記憶に頼った記述ですので、不確かな内容です。ご容赦ください。

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昔々ある村の片隅に古い空き家がありました。

朽ち果ててとても気味悪い家でしたが、村のいたずら好きなこどもたちは夜な夜な集まってはそこで遊んでいました。

 

ある夜のこと、大きな音が二階から聞こえました。

こどもたちはみんなでおそるおそる二階に行ってみると、大きな餅が落ちていました。
屋根には穴が開いていて、空から降ってきたようです。

 

 


大きな餅とはどれくらいの量でしょう。
屋根を突き破るなら、この写真くらいの大きさは必要そうです。

 

 

 

不思議ではありましたが、こどもたちは餅を一階に持っておりて、囲炉裏で焼いて全部食べてしまいました。

次の晩、こどもたちは昨日と同じことがあるかもしれないと待っていました。
するとやはり餅が降ってきました。
そしてその餅はさらに大きくおいしい餅でした。

また次の晩、こどもたちは餅が降ってくるのを待っていました。
するとこれまでになく大きな音が響きわたりました。

さぞ大きな餅だろうと期待してこどもたちは二階に駆け上がりました。
そこには大きな影がありましたが、触ったところ餅ではなさそうです。

こども達が気味悪がりながら様子をうかがっていると、その塊から急に白髪が生えて、ばあさんに代わりました。

ばあさんは「餅を食ったのはおまえらか、盗人め。餅代をよこせ。」と言います。
こどもたちはが「銭などもってない。すまんかった。」と答えると、ばあさんは「本当に悪いと思っているのか。でないと餅の代わりにお前らをくっちまうぞ」と言いました。

これを聞いたこどもたちは蜘蛛の子を散らすように逃げだしました。
しかし行く先行く先どこにでもばあさんが現れます。

こどもたちは逃げることをあきらめ、ばあさんに必死に謝りました。

しかし一人だけ、謝らないこどもがいました。

「わしはあやまらんぞ。あんな餅食ったくらいでなんじゃ」と悪態をついて石を投げつけ、また逃げ出しました。

ばあさんはさらに怒りの形相で追ってきます。

そのこどもは、ばあさんは木には登れないだろうと川辺の木によじ登りました。
しかし下をみるとばあさんも木を登ってきます。
次の枝、次の枝と、てっぺんまで登りましたが、ばあさんもじりじりと木を登ってきて、とうとう追い詰められてしまいました。

逃げ場がなくなり、また恐ろしくなったこどもは川に向かって飛び降りながら、ばあさんに許しを請いました。
婆さんは「やっと謝りよった」と笑います。

川にはまったこどもはぶくぶくと沈んでしまい、遠巻きにみていた他のこどもたちが心配して近づいてきました。

すると大きな餅がそのこどもを乗せて浮かび上がってきて、無事に川から引き上げられました。

そして木の上にいたはずの婆さんの姿はもうそこにはありませんでした。

その後、こどもたちは二度とその家に近づくことはありませんでした。
あの婆さん今でもどこかで餅を食っているのでしょう。

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文章にすると結構怖いお話しですが、私がみたものはかわいらしい画で描かれたコミカルな雰囲気のお話しでした。

この話に出てくるばあさんはなかば妖怪のような存在ですが、謝れば最後は許してくれる人でした。
果たして「くっちまうぞ」は本気なのか脅しなのか・・・。

皆様も突如餅が降ってきた際にはご注意ください。

 


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