けいはんな記念公園の初秋を彩る植物といえば、ヒガンバナやリコリスです。
細長い茎に鮮やかな花を四方に付け、葉は花期とは別に地面から伸びてくるという特徴があります。
中秋の名月を愛でる公園の一大イベント「観月の夕べ」に合わせるかのように開花するヒガンバナとリコリス。
今回は、水景園内を秋色に染めるこられの植物を紹介します。

 

●ヒガンバナ
ヒガンバナ科ヒガンバナ属で、9月になると開花が始まります。
水景園内の里棚田や池に面した土手に連なるように植えられています。
ヒガンバナという名前のほか、マンジュシャゲなどの別名もあり、一説には1000ほどの呼び方があるとも。
かつての食糧難の時代には球根を摺りつぶして何度も水にさらし、解毒させたあとに団子や雑穀にまぜて調理したといわれています。

                                

●リコリス(薄ピンク)

ヒガンバナとは異なり、薄いピンク~濃いピンク系、白、黄、オレンジ色など、花色豊富なリコリス。

なかでも、一番に花を付けるのが、薄ピンク色の品種です。大輪で、花弁の一枚一枚が他のリコリスよりも大きく、つるりとしています。
開花期は8月下旬が中心で、9月上旬には見頃を終えます。果樹園周辺の斜面に群生する光景には、秋の到来を感じさせてくれます。

●リコリス(濃いピンク)
こちらは、先のリコリスよりも丈、花弁のサイズも一回り小さい品種です。
花弁の反り返りも少なく、花弁が小振りなのが特徴です。
屋上棚田の入口に植栽されている梅のなかでひっそりと開花しています。

●リコリス(白)
少々黄色がかった、オフホワイトの色味です。
9月上旬を過ぎると、少しずつ開花しはじめます。
現在開花しているのは、果樹園のエリアです。水景園の外側の芝生広場へ向かう谷あいからもご覧いただけます。

                               

●リコリス(黄)
一層目を惹くのが、この品種です。
ピンク系や白、赤が多い、リコリスのなかでも鮮やかな黄色はひとつひとつの花弁が大ぶりです。
こちらも、9月10日現在、果樹園の斜面中ほどで開花しています。

●リコリスの仲間の花言葉
花色豊富なリコリスには、様々な花言葉がありました。
その一例を紹介しましょう。

赤…「情熱」、「再開」
白…「また会う日を楽しみに」、「想うのはあなたひとり」
黄…「追想」、「深い思いやり」、「陽気」、「元気な心」
オレンジ…「妖艶」
ピンク…「快い楽しさ」

「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、過ごしやすい気候まであとわずかです。
秋の深まりはぜひ、けいはんな記念公園でお過ごしください。


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