紅葉谷は日本庭園のエリアなので、毎日お手入れがされています。
よって、他のエリアのように野草や雑草は増えませんので見つかりにくいと思います。時々すみっこにかわいい姿を見かける程度ですが、一度探してみてください。
なお、植物探しのために、コケや植え込みのエリアに進入しないように気をつけましょう。

 

<カタバミ>

●花時期:4月~夏
●草丈:低い(~15センチくらいで横へ広がる)
一見クローバーのような葉のカタバミの名前は、3枚の小葉の一部がへこんで欠けているから(片喰)という説や、片葉が3枚だから(片葉三)、夜に葉が閉じて、半分になったように見えるからと諸説あります。葉が夜に閉じるのは、水分の蒸発を防ぐためと考えられています。繁殖力が非常に強く、根絶するのが難しい植物だとされていて、地下に肥大した塊根(かいこん)があって、そこから太くて長い根を伸ばしています。引き抜いても柔らかい地上部がすぐにちぎれてしまい、根ごと掘り取るのは難しく、すぐに再生してしまいます。根絶が難しいということから、江戸時代にはその意匠は「片喰(かたばみ)紋」として人気を博し、五大家紋の一つになりました。
花は長いものは夏終わり頃まで見られます。黄色の花を持つカタバミだけでも1種類だけではなく、他の花の色も含めるとかなりの種類があります。薄ピンク色のムラサキカタバミは道端などで比較的よく見かける種類かもしれません。

参考/ムラサキカタバミ

 

 <キュウリグサ>

●花時期:3~5月
●草丈20~30㎝
茎や葉を揉むと胡瓜(キュウリ)に似た匂いがするからキュウリグサ。 若い茎や葉は山菜料理にも使えるそうです。 別名を田平子(タビラコ)ともい言いますが、春の七草に出てくるキク科の小鬼田平子(コオニタビラコ)とは別物です。
  かわいいお花は直径2㎜くらいの水色をした極小で、花の中心は黄色くなっています。群生していることが多く、道端や畑など割とどこにでも見つけることができます。花の形状は近い仲間のワスレナグサに似ていますが、キュウリグサのほうがずっと小さく可憐な印象です。

 

 

<カスマグサ>

●花時期:4~5月
●草丈:低い(上ではなく横に広がる)
カラスノエンドウは皆さんよくご存じの赤紫の花ですが、近い仲間に白っぽい紫の小さい花が咲くスズメノエンドウという種類があります。カスマグサは「カラス」と「スズメ」の間、ということでこの名前がついています。カスマグサもカラスノエンドウに比べるとかなり小さく、花色も淡い青紫なので気を付けてみていないと見過ごしてしまいそうです。
やや乾燥した道端などに生育し、花時期や好む場所などはスズメノエンドウに似ています。混生していることも多いですが、大きさ以外に、カスマグサは上花びらに紫の筋模様があることや、実に毛がないことでも見分けられます。