二十四節気「小満」の更新に合わせ、こちらのページで水景園の見どころを紹介いたします。

—————————————————–(2023.5.21更新)

気温があがり、生命の気配が満ち溢れる季節。関西では初夏、梅雨前の気候の良い時期となります。朝晩は肌寒い日もありますが、日中は夏を思わせる気温の高い日もあります。散策の際は熱中症にもご注意ください。

○季節のお花たち
緑が満ちる季節、今が見頃のお花たちをご紹介します。

★ヤマボウシ

紅葉谷にモミジに混ざって植わっています。
白く花びらのように見える部分は、総苞片と言って花ではなく葉の一部です。
4枚の総苞片が花(30~40輪の小花の集まり)を取り囲み、株いっぱいに咲かせています。

これを観月橋の上から見ると、白く星を散らしたように見えます。
水景園は大きな橋が特徴の日本庭園ですが、見上げるばかりの大木たちを橋の上から見る、という機会はなかなか貴重なものです。

★タツナミソウの仲間
初夏になると、黄色やピンク色の春を思わせる花の代わりに、ここに取り上げるような白や紫色の花が増えて来ます。タツナミソウの仲間は、この時期に咲く紫色の多年草。花が波が打ち寄せてくる様子に似ている事から、この名前が付きました。

背丈は小さく10㎝程度の可愛らしい姿ですが、まとまって咲く様子は「波」の名前もさもありなん、という様相です。芽ぶきの森や山棚田で観察できます。

★カキノキ
秋に甘く美味しい実がなりますが、花はこの時期にひっそりと咲いています。雄花と雌花があり、品種により雌雄同株、雌雄異株が分かれています。雄花は何個かがまとまって咲き、雌花は独立しています。また、雄花(下の写真)は細長いつぼ型なのに対し、

雌花(下の写真)の方は「がく」が大きく平たい形をしています。

雌花の「がく」の部分は、やがて育って「へた」の部分になります。今、作業庭で雄花・雌花ともに観察できます。

★ドクダミ
強い匂いを放つ雑草としておなじみですが、この時期に咲く白花はどこか清楚で日本庭園の風情にも合います。水景園内でも紅葉谷、山棚田、光の庭などいくつかの場所で観察できます(写真は水景園入口のもの)。


繁殖力が非常に強く生育旺盛で、匂いも強いので苦手な方もいらっしゃると思いますが、漢方では「十薬」といわれ利尿作用、炎症の緩和、解熱や解毒などの薬効があるといわれています。お茶やチンキとしても活用され、人の生活に近い植物のひとつです。

★スイレン
水景棚のスイレンが咲き始めました。非常に花期が長く、ここから8月いっぱいまでは十分楽しめます。
園内には白とピンクがあり、例年白が先に咲き始めます。スイレンは花色も豊富で、園内にある白・ピンクのほかに黄色、赤、熱帯性のスイレンの中には青に近い紫色などもあります。水面に次々とお花が上がってくる様子は可愛らしいですね。

★アジサイ咲く
紅葉谷のガクアジサイがさきはじめました。まだ数株ですが、これから梅雨にかけて咲きそろって来ます。憂鬱な雨の日も、アジサイの花色を見ると何となくほっこりとしますね。

梅雨前のひととき、小満の見頃情報をお伝えしました。寒暖差の激しい時期ですが、梅雨前のひととき、どうぞゆっくりと遊びにおいでください。

 

 

 

 


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